レンズの内側に皮脂汚れ? コーティングはがれ?

 インナーフォーカス式のハンディカメラ用の22倍レンズ。 その内部のフォーカスレンズ群の、最も被写体側のレンズ面に、油膜のようなものがべっとりと付着している。しかも中央部で広範囲に亘っている。カメラマンのSさんが発見してくださった。
 発見が困難だったが、レンズの中央部に光源を反射させフォーカスリングを回すと現れた。なるほど、水面に油が浮いているときのような七色の光が見える。

 一見、皮脂が付着しているようにも見えるし、レンズのコーティングがはがれてしまっているようにも見える。 他のカメラマンのMさんは、内部でグリスが漏れ出して付着したのかな? でも垂れたような跡は無いしな…と困り顔だ。

 常時このレンズを装着しているカメラだけ、FLAREレベルがパラメータ的に他のカメラよりも黒が浮いているという認識はあった。 しかしFLARE調整の補正範囲内で、しかもその範囲に十分な余裕があっため、レンズ側を観察することを疎かにしてしまった。改めて、機材に耳を傾けることの重要性を認識した出来事だった。

ハンディ用レンズのマウント部分のネジが緩む

 ハンディカメラを担いだときにカメラヘッドとレンズの接合部分がグラついている、という指摘をカメラマンのI君から受けた。 さっそく状況を確認してみると確かにグラついている。急を要するほどではないものの、カメラヘッドとレンズが分離して落下事故につながる危険性も考えられた。

 当該レンズおよびカメラヘッドのマウント部分を確認してみるものの、割れや欠けなどの破損は見られない。試しに他のレンズに付け替えてみたが異常はない。カメラヘッド側は問題なさそうである。

 そこで再び当該レンズを確認してみたところ、レンズマウント部分を締め付けているであろうネジ×6本が緩んでしまっていた。 このカメラはペデスタルや三脚に載っていることは少なく、担ぎによる使用がほとんどであった。更新から5年近くが経ったが、経年による緩みなのだろうか。

 これらのネジを極力均等な力で締め直し、カメラヘッドに取り付けてもらったところグラつきも収まった。光軸ズレや周辺ボケも問題なさそうである。

レンズのマウント部分を正面から見たところ。矢印のネジが緩んでいた。
(写真は当該レンズではありません。)

 業務日誌をひっくり返してみると、このレンズ、2ヶ月半ほど前にも同様の症状が出て、その際にも修理に出さず現場で締め直していたことが分かった。 カメラマンさんらから、バックフォーカスが度々ずれているという報告を受けていたが、これらもこのネジの緩みに起因していたようであった。
 次に症状が再現したら、O/Hに出したいところだ。

ハンディカメラ用レンズにおける
エクステンダー挿入時のIRIS補償

 スタンダードカメラ用の箱型レンズには、エクステンダー(倍率が望遠側にシフト)を挿入すると自動的にIRISをおよそひと絞り開いてくれる機能が搭載されている。 この機能がハンディカメラ用レンズにも搭載されていることをVEのSさんに教えていただいた。

グリップ部に設定スイッチがある このレンズでは「6」がIRIS補償機能のON/OFFスイッチ

 写真はFUJINON HA22×7.8Bである。このレンズでIRIS補償機能をONするには、グリップ部分の蓋を開けて「6.I・COMP ON」のディップスイッチをON側に倒せばよい。


ジーメンススターチャート

 バックフォーカスを取る時、カメラマンによっては「ジーメンススターチャート」を用いて丁寧に見る方がいる。ではそのチャートをレンズからどの位離して取るのが適当なのか。様々な説がある。

3m〜5mぐらい離れて取る

 レンズの取説にもこのような記述があったと記憶している。
 当方で常備しているチャートは、レンズの取説に付属しているA4サイズぐらいのチャートで、そもそも離れ過ぎるとフォーカスが判別できない。

なるべく遠くで取る

 この方法でバックフォーカスを取る方は、そもそもジーメンススターチャートを使用しない。もし1メートル四方ぐらいの特大ジーメンススターチャートがあったら使用するのだろうか。

ジーメンススターチャートの例
ジーメンススターチャート

B.FとF.B

 B.Fはバックフォーカス、F.Bはフランジバック。
 B.Fはレンズ後端から焦点面までの距離のこと。

 F.Bはレンズマウントのマウント面から撮像素子までの距離のことをそれぞれ言うそうだ。

 バックフォーカスを調整するつまみ、FUJINON製のレンズには「F・f」と書かれている。取説には「Adjustment Flange Focal Length」という記載がある。「Flange focal」の略だろうか。

 Focal;焦点の

手動もサーボもボタンひとつで

 1インチクォーター(1"1/4)の撮像管用のレンズは大きかった。朝、電源を入れビームをONする。 その日の収録が歌番組だと、ズーマー仕様のレンズからサーボ仕様のレンズに交換していた。2/3インチCCD用のレンズよりも、ひとまわり位大きかった。それをせっせと一人で交換した。

 それも今は昔。今やボタンひとつで手動⇔サーボの切替えができてしまう。なんて便利なレンズが発明されたのだろう。

「ワイドアタッチ」と「ワイコン」

 「ワイドアタッチメント」と「ワイドコンバータ」の違いは???
 若いカメラマンさんが質問されていた。…実は私も知らなかったので、耳をダンボにして聞いてみた。
「ワイコンは知っていますが、ワイドアタッチって何ですか??」

 以下、先輩の話。
 ワイドアタッチもワイコンも画角が広角側にシフトする。ここまでは一緒だ。ワイドアタッチはズームができず、フォーカスはマクロレバーでとる。ワイコンはズームができて、フォーカスもフォーカスリングでとる。 このような違いがあるという。
 車の中など狭い場所で、引きの画を撮りたいし、かつズームもしたいといった場合、標準レンズにワイコンをつけて運用するそうだ。

「なるほど、ありがとうございました!」
 レンズ交換をしなくても、標準⇔ワイドが手軽に切り替えられるのは便利だ。

今どきのレンズは優秀

 本番中、ハンディカメラのレンズ交換をする。
 標準レンズ→ショートズームへのレンズ交換をしたが、ホワイトバランスが大きくずれることはなく、ほぼそのまま行けてしまう。レンズファイルは作成していない。今どきのレンズは優秀だ。

カメコン(=カメラコントロールパネル)に
表示されるIRIS値

 スタンダードカメラ用のレンズはIRIS値をヘッド側に返しているので、カメコンのIRIS値は正確だという。 しかしハンディ用のレンズはIRIS値をヘッド側に返していないから、カメコンに表示されるIRIS値は目安でしかないという。

 ここでハンディ用のレンズで実験をしてみる。レンズ側のアイリス制御を「M」にし、アイリスリングを手でまわすとカメコンのIRIS値表示はどうなるか。
 すると、アイリスリングに合わせて数値も変化することがわかった。これはIRIS値を返しているということになるのだろうか。