2011年7月24日12:00にアナログ放送が終了した。
歴史的瞬間だったのだが、当方のアナログ放送はケーブルテレビによるデジアナ変換の信号を受けているため、ブルーバックになる瞬間を見ることができなかった。
総務省・デジサポのホームページを見ると、2011年7月1日からアナログ放送に「アナログ放送終了まであと○日」というカウントダウンスーパーが左下にスーパーされるとの告知があった。
どの位の大きさのスーパーなのだろうか。さっそく当日、テレビをアナログ放送に切替え確認してみたものの、各局ともそのようなスーパーは見られなかった。
代わりに右上の「アナログ」スーパーが「デジアナ」という文字に変更されていた。さらに地デジ放送と同様に、右上にはステーションロゴがスーパーされている。
アナログ放送は地デジ放送のダウンコンに変更されたのだろうか。
カウントダウンスーパーが無い。 しかも「アナログ」ではなく「デジアナ」+「ステーションロゴ」に。 |
当方は○○ケーブルテレビで放送を受信しているので、もしかしてと思い、○○ケーブルテレビのホームページに飛んでみた。すると以下のような記述を見つけた。
一部の局がデジアナ変換の対象から除外されており、この局のアナログ放送ではカウントダウンスーパーが見られた。
世の中が地デジ化へ動いている昨今、VEの新人教育において、NTSCをしっかりと覚えてもらう必要があるのかという疑問がある。そこで現場にいるVEさんにこの質問をぶつけてみることにした。
結果、そのほとんどが「NTSCは軽く説明すればいいのではないか」という回答であった。
「NTSCを本線系で使用していない」、「(関係性を全て否定する訳ではないが)NTSCとHDTVは別規格である」という理屈である。
言わば「脱NTSC」ならぬ「"離"NTSC」への、現場VEの腹づもりはできているように思えた。
ARIB((社)電波産業界)が発行する標準規格集。
ARIB(社団法人電波産業会)のホームページから購入することができる。
InterBEE 2009にお邪魔してきました。
ノンリニアや3Dパートが盛り上がっていたように思います。HDの垣根が低くなったことに加えて、民生機と業務機の垣根も、より取り払われてきているようです。
いただいたパンフ。 | 3Dメガネと言えど赤と青のセロファンではない。 偏光フィルターだろうか? |
訪問を予定していた日、台風の影響で交通機関が大幅に乱れました。仕事の都合も重なって、結局お邪魔することができませんでした。また来年お邪魔させていただこうと思います。
捨てる、捨てない――身のまわりの整理整頓の話ではない。被写体を撮像する位置や画面サイズなどによって変化する色味やIRIS、Detailなどのフォローをしない、する、のことである。
少々例を挙げてみる。
商品紹介をハンディカメラ「かつぎ」のワンカメショーで行ったときのこと。商品をクローズアップにした際、FLAREが強くかかり過ぎて暗部がコケているにもかかわらず捨ててしまう。
VTR明けのスタジオ戻りを「よこあて」のグループショットで降りたときのこと。MC席と比較して、背景(いわゆる「ぬけ」)が異なり、色味や見た目の画面の明るさが違っているにもかかわらず捨ててしまう…などなど。
時には、全部捨てるのかよ!と言いたくなるVEさんも見かける。
先輩VEの中には「このカットはどうせ色が合わないから捨てろ」「この回り込みのショットまでフォローしていたら間に合わないから捨てろ」という方もいる。それは間違いではない。そういう考え方もあると思う。
しかしそれを、自分のスタイルを確立していない新人や若者にアドバイスしてしまうと、彼らは余計に混乱してしまうだろう。
その先輩の捨てる、捨てないの判断基準は、あくまでその先輩個人が経験の中から得てきたものであって、万人に共通するものではないからだ。
私の場合は、新人や若者には、余裕があればできる限り捨てないようにアドバイスしている。
捨てる、捨てないを考えるのは、実は高等テクニックではないかと思っている。色味やIRIS、Detailなどの違いをしっかり認識できるようになって、初めて捨てる、捨てないの判断ができるようになるはずだ。
機材のトラブル等によってVE間で引継ぎがなされることが多々あるだろう。しかし業務日誌や業務報告メールを見ても、結局、記載した本人に直接確認しないと分からない場合がある。
例えば、"モニターAとモニターBを替えました"…これだけでは、モニターA, Bとも代替にしたのか、それとも、代替の予備機が無くて、応急処置としてモニターAとモニターBをテレコにしたのかが分からない。 修理依頼伝票も起票され、故障したモニターが既に修理引取りされているようなケースであれば尚更である。
文書による引き継ぎは特に、簡潔に、初見でも判るように記載するよう心掛けたい。
興味深い測定器がある。照明のAさんに教えていただいた"カラーメーター"だ。カラーメーターを使用すると、ボタン一つでその場の色温度を測定することができる。
MINOLTA製 COLOR METER 3F |
家電量販店のWebサイトで価格を確認してみると、同型機種は見つからなかったが、ケンコーやセコニックから150,000円前後で販売されていた(…購入は断念して、照明さんに毎回お借りしよう!)。 様々な光源の色温度測定、調光電圧を可変させた時の色温度の変化を測定して遊んでいる。
色温度を操るとOA中の色補正が最小限になる。当然これはカラーメーターが無くとも可能である。実際、従来は調光器のボリュームの位置や電圧計の数値を基準にしていた。
しかしこれだと光源の経年による色温度の変化等には対応できない。カラーメーターを利用することにより、色温度を数値化して表示してくれる点が魅力だ。
しかし、調整毎にカラーメーターを使用しているわけではない。照明さんがいらっしゃる前で測定器を使用するのは失礼に当たるだろう。
このカラーメーターを紹介してくださった照明のAさんは大ベテランで、経験上、大体の照度や色温度は目視で分かるそうだ。 「誰でも分かるようになるよ」と謙遜されていたが、私はただただ「はーすごいですねー」などと素人のような返答しかできなかった。
ある番組を地デジで視聴していたとき、画面の右上に出ている内容スーパーが、1行分ぐらい下がってスーパーされていることに気付いた。ここに何かスーパーが追加されるのか?
などと思いながらしばらく視聴していたのだが、一向にその気配は無い。
地上アナログ放送の方が気になり切り替えてみたところ、右上に薄く「アナログ」とスーパーされている!
右上スーパーが1行下がっていた件は、アナログロゴマーク除けということのようである。
では他のチャンネルはどうだろうか。在京の民放各局の地上アナログ放送でも「アナログ」とスーパーされている。しかも常時だ。
ご存知のとおり、つい先日までは一部の時間帯に、しかも番組冒頭に数秒間スーパーされているだけであった。
いよいよ民放各社の地上アナログ放送にもアナログロゴマークがスーパーされるようになったのだった(NHKの地上アナログ放送では、2008年7月24日から実施済み)。
「アナログ」ロゴマークのイメージ。 民放のものはNHKのそれよりもサイズが若干大きいようだ。 |
2009年1月9日、社団法人日本民間放送連盟の報道資料に以下のようにあった。
また一歩、地上デジタル放送への移行のプロセスが進んだことになる。
今年も千葉・幕張の幕張メッセで開催された、InterBEE 2008 国際放送機器展にお邪魔してきた。
などに興味を引かれた。
HDTVの走査線数=1125本からとって、11月25日はハイビジョンの日なのだそうだ。学生時代にH先生がおっしゃっていた。
本Webを始めて以来、毎年書こうと思っていたものの、時期がズレてしまい書けず仕舞いだったがやっと書くことができた(少し遅れたが…)。
学生時代には、ハイビジョン時代などまだ先だと思っていた。しかし今やHDによる番組制作が主流になり、"ハイビジョンの日です"と聞いても特に感慨にひたる事さえなくなっている。
先日開催された、InterBEE 2008にお邪魔してきたが、毎年毎年、HDTVの敷居が低くなってきているのを実感することができる。高圧縮化、低遅延化などの技術発展に興味津々だ。
また、テレビ番組制作分野ではないが、ハイビジョンの4倍の解像度である、4Kx2Kの映像を拝見することができた。
次はどんな技術が出てくるのだろう。考えるだけでワクワクする。
2007年11月20日~22日まで千葉・幕張で開催された「InterBEE2007」を見学してまいりました。
時間の制約のため、あまり多くのメーカーさんのブースにお邪魔できませんでした。
暗室でのCRTとの比較が興味深かった |
×100でAFつき | 制御がLANでつながる |
いただいたパンフレットの一部 |
HD-SDIなどデジタル映像信号の文献を探していてこの本に出会った。『トランジスタ技術』、略して『トラ技』。目当ては「特集・ディジタル時代のビデオ信号操作術」である。
この号は、書店はもとより出版社にも在庫がないということだったが、図書館でやっと見つけることができた。
NTSCを解説した文献は多数あるが、HD-SDIやSD-SDIについてイチから解説してくれる文献はまだ足りない。
現場の先輩にHD-SDIの質問をしてもアナログHDTVの話に、ひどいときにはNTSCの話にすげ替えられてしまう…。
現状でHD-SDIをはじめとするデジタルビデオ信号の知識を得るには、文献や信頼できるWebサイト、メーカーの担当の方に頼るしかない。
実際にHD-SDIを運用しているからには、より深く理解するように心掛けたい。
予てから購入を検討していた露出計を手に入れた。
今回手に入れたSEKONIC製「L-398A」。 新宿の家電量販店で、28,350円にて購入 |
グレースケールチャートに照明がフラットに当たっていると驚くほど調整がし易くなること、また、ホワイトシェーディングをとる際にフラットな照明は必須であること、などから是非欲しいアイテムであった。
本当は「照度計」の方が目盛がLx(ルクス)で打ってあり、VE的には直読でき便利だ。しかしこちらは店頭には在庫が無く、メーカーも製造終了してしまったようなのだ。残念。
このような事情で露出計を購入した。しかし、主な使用目的が「グレースケールチャートに照明がフラットに当たっているかを測定すること」であるから、十分に事足りてしまう(費用対効果は高い!)。
照度を知りたい場合にはフートキャンドル値を読み、10.764倍することで照度(Lx)が算出できるそうだ。
NTTのネット中継回線がすべて光回線になったそうだ。2006年6月5日の未明から早朝にかけて切替え作業が行われたようだ。
従来のネット回線ではHDの光回線と比べると信号の劣化が見られたが、それもだいぶ解消されるのだろうか。
今は秋田の系列局から日に何度も中継をもらうのだが、そういえばこの日を境に画質が良くなった…気がする。
もう見られない 「NTT東京」のネットマーク |
2006年6月5日以降はフルカラーバーに… |
VEはスタジオのシステム全体を把握していることが望ましいし、完全把握に努めたいところだ。
新しいスタジオ、初めての現場に赴いたときには系統図を確認するが、よりそのスタジオの内情を探るには、さらにパッチ盤を観察するとよい。
時間があるときにパッチ盤を確認してまわり一覧を作成する。工事図面や完成図書にパッチ盤の一覧があるかもしれないが、自分で調べることに意義がある。これはお勧めしたい。
星の数ほどいるスタジオVE。生き残るには抜きんでる技術が必要だ。当たり前のことを当たり前にできて「普通のVE」。それプラス何か“付加価値”を備えなければならないだろう。
システムに詳しい、ある機材に詳しい、照明に詳しい…などなど。何でも構わない。自分のいる現場で自分の居場所を見つける、他のどのVEさんも手をつけていない分野に挑戦する。このような心構えを持ちたい。
スイッチャー卓やVE卓にマウントされている機材を指すとき、「A面」や「B面」ということばを使う。A面は平面(へいめん)をいい、B面は立面(りつめん)のことをいう。
この例はVEからすると少し縁起が悪いが「スイッチャー卓B面の10インチモニターが故障した」などと使う。
Visioは図面を描くソフトで、ちょっとした系統図などならばこれで描けてしまう。
会社のPCにもインストールされ以前から使用していたのだが、自宅でゆっくり作業したかったため購入を決めた。
新宿の家電量販店で購入。 |
いろいろ遊んで「Visioマスター」を目指したい。
新人の頃に言われたことがある。「VEは職人なんだよ」――職人と言うと「新人に何も教えない、オレの背中を見て育て…」というイメージがあるが、この先輩はどのような意図でおっしゃったのだろう。
こんなブログを書いている身からすると、新人に何も教えないなんて…よく黙っていられるなぁ、と思ってしまう。技術をひけらかすつもりはないし、尊敬してほしいなんていう思いなど毛頭ない。
だから新人さんには「自分に合う先輩を見つけなさい」、「色々な先輩の意見を聞いて自分の考えを固めてゆきなさい」と言っている。
あまり教えすぎると覚えない・育たないという考えもあるが、知識だけで仕事をこなしているのではないし、結局は自分でオペレートしないと分からない部分がたくさんある。
まったくの新人さんの場合、VEなどという“概念”すら無いのだから「教えられなくとも気付きなさい」とか「それぐらいちょっと考えればかわるだろ」などと叱責するのは可哀想だ。
「興味が無い」のではない。「概念が無い」だけなのだ。まったく知識がないのに「気付け」と言っても無理なのだ。人間の脳はそういうものだ。
だから、自分の持っている知識を「おすそ分け」している。
新人さんに機器の操作をしてもらう時は、しばしば「なぜそのようにするの?」と質問する。「○○先輩がやっていたので」という答えが返ってきた日には×××。 「こうこう、こういう理由でやっています」という答えが返ってくれば◎。こういう問答をしていれば新人さんは「教えられたことをそのまま真似ているだけでは駄目なんだ」と気付く。 だから「教えすぎ=育たない」という公式は成り立たない。教わったことをベースにして、自ら検証して自分のものにさせればいいのだ。
VEは職人でも何でもないと思う。新人さんには職人になってもらうよりはオタクになってもらう方がよっぽど良い。
「新人に何も教えない、オレの背中を見て育て」…そうやって厳しく育てて、言葉は悪いが「ふるいにかけて」、生き残った者が一人前のVEになるという向きもあるが個人的にそれは好まない。
部下、後輩に物事を説明するときには、なるべく具体例を挙げて説明するようにしている。
例えば、なぜカメラ調整(基礎調整)の時にW.CLIPをOFFにするのか。ある、経験2年目のVEさんにこう質問された。 「なぜGAIN、GAMMA、FLARE、PEDESTALの調整をするのに、GAINよりもレベルの高いW.CLIPをOFFしなくてはいけないのですか?」
これはもちろん「105%や107%であるべきW.CLIPが、例えば80%になってしまっていたらGAINは調整できない」ということである。なるほど、彼ら・彼女らはW.CLIPが大きくずれた状態を見たことがないのだろう。 だからこのような疑問が生まれる。
具体的に+実践で見せるというのも重要だ。「やっと謎が解けました」などと納得してもらえると、こちらもちょっと嬉しくなってしまう。
マイクロ回線にて中継をもらう際、電波の状態が悪くて画面が重なって見えることがある。このとき「反射がひどいね」などと言っている。 電波が送信側から受信側に複数の経路を通って到達するために起こるものだ。
しかし、これが必ずしも「反射」とは限らない。「迂回」して届いた電波でも、画面が重なって見えるからだ。
「複数の経路を通って」というところから「マルチ(複数)」「パス(経路)」→「マルチパス」というのが正しいようだ。
VE卓で鉛筆(シャープペンシル)や消しゴムは、あまり使わない方が安全だろう。鉛筆やシャープペンシルの芯は電気を通す導体だ。 鉛筆の粉や折れたシャープペンシルの芯が、ボタンやつまみの隙間から内部に侵入して、万一ショートでもしたら非常に危険だ。そこまで行かないまでも、動作不良の原因にもなりかねない。 消しゴムのかすも同じことだ。ボタンやつまみの機構部に挟まって粘りが出たりする。
冬場は手荒れに苦しみ、ハンドクリームをVE卓の袖において手放せないというVEさんも多いだろう。クリーム系にも注意したい。 誤ってボタンやつまみの隙間にクリームが侵入してしまったら、オーバーホール行き必至になってしまうだろう。
機材トラブルは起きてほしくないものだが、万一起こってしまったときには迅速な復帰が求められる。常日頃から頭の中でシミュレーションしておくと、とっさの時に役立つかもしれない。
今朝は嫌な夢を見てしまった。どうやってもトラブルから脱却できないという類の夢。現実でなくて良かった。
自分の見た夢から、改めてトラブルに対する意識を持つのも一つの方法だ。「あー嫌な夢だった…」で片付けてしまうのはもったいない。
VEのマスターモニターは、放送機器であり測定器であるから、いつも常に安定した映像を提供してくれる。それに比べると人間の目は変動しがちだ。
そこで、自分の目を少しだけ鍛える意味で、モニターのCONTRASTやBRIGHTNESSはプリセットで使わないようにしている。
昔、あるメーカーのモニターで、プリセットで使用するとレベル変動が起こるというのがあったが、それとは関係ない。
1mWを基準とした電力の表示。放送機器や電話などでは600Ωの伝送系を用いるので、600Ω負荷に1mWの電力を供給したときの電圧は0.775Vとなり、これを0dBmとする。
dBm表示は600Ωの伝送系においてのみ成立するもので、これ以外のインピーダンス系では成立しない。
■dBs;
インピーダンスに関係なく0.775Vの電圧を基準にした表示である。
600Ω負荷ではdBmと一致し、dBs表示の出力機器はハイインピーダンス受けすればdBmと同じと考えてよい。
■dBv;
1Vを基準とした表示。すなわち、1V=0dBv、2V=6dBvとなる。
池上通信機のブースを見学した際、新しいコンパネ「OCP-200」に“M.FLARE”=マスターフレアが付いているのを発見して嬉しくなってしまった。 以前から「付いていたら便利なのに」と思っていた機能だ。
職場の年長のVEさんに提案したら「そんな機能要らないよ!」と却下され、そういうものかと自分を納得させていた。 しかし同じ事を考えていた方が他にもいて、その方が池上に提案してくれたのだろう。
VEはある意味「映像品質管理部長」だと思う。
手を抜こうと思えばいくらでも抜けてしまう。表面的に言うと、VEは手を抜いているのが一番目立ちにくい部署かもしれない。VEとしてある程度の技術水準を獲得すればあとは惰性で何とかなってしまう。
だから「えせスタジオVE」「なんちゃってスタジオVE」が存在してしまう。
VEは本来ディープでマニアックな世界であるはずだが、なんとなく技術格差が見えにくい。機材の不具合やシステム上のトラブルが無ければなおさらだ。 他部署の方も「VEさんが言うのならば間違いないな」的なところがあると思う。
だからこそVEは一番怖い部署だ。ラクしようと思えば地平線の果てまで楽することができる。しかしそうすることによって確実に番組の技術的品質は低下してしまう。
VE同士であれば「この番組のVE手を抜いているな」と分かる。
自分ができることを自分なりに。こだわりを持つことが大事だと思う。
InterBEE2005、2005国際放送機器展が11月16日から18日まで千葉・幕張メッセで開催される。
ソニーではHD版スーパーモーションカメラ、1080/60pカメラ「HDC-1500」、XDCAM HD。ナックの1080/300pカメラ「HD-HS300P」。これはNHKとの共同開発だそうだ。Panasonic「P2」のHD版も気になる。
またHDによる伝送がより廉価にできるようになるコーデックの進歩についても注目したい。「MPEG4/H.264 AVC」や「SMPTE VC-1(WMV9)」などを誌面でよく見かける。
これらを中心に回ってこようと思う。
フリアクをあけてケーブルを通す作業をした。
フリアクとは“フリーアクセス”のことで、サブコンの床下が50㎝ほど掘り下げられており、そこにケーブル類が這わせてある構造のことをいう。普段は床板がしてありケーブルが露出していることはない。
その床板をはがす工具――強力な吸盤のもの、強力なマジックテープのものがあり、床面の材によって使い分ける――を「サッカー」と呼んでいるのだがこれは正式名称なのだろうか?またその由来は??
以前自宅で生放送の歌番組を地上波デジタル放送で視聴していた時、レーザー光線や激しいフラッシュ系の電飾で、あまりにもパターンが激しすぎたのか完全に映像が破綻してしまっていたことがあった。
きちんと設計されたスタジオなら機器トラブルを除けばベースバンドの段階で破綻することは考えにくく、放送波(MPEG-TS→RF)に変換される段階で破綻したものと思われる。
そうすると電波になって空中に発放され、家庭のテレビに映し出されるまでは映像が破綻するかどうかは分からないということになる。
ましてサブコン側で生本番前のリハーサルの時点で映像の破綻を予期するのは困難だ。
VEとしてはどの程度のパターンで映像が破綻してしまうのかを経験的に知っておく必要があるのかもしれない。館内共聴(デジタルSTBのOUT)などを使って、破綻していないかどうか監視できれば良いのだか…。 館内共聴をデジタルHD対応に整備するのは莫大な費用がかかりすぎて却下?
先日購入した民生機のビデオカメラHDR-HC1の取説に、バッテリーの保管方法としてバッテリーを長期間使用しない場合でも、機能を維持するために1年に1回程度満充電にして本機で使い切ってください。 という記載があった。
以前いた現場では翌日に使用予定がない場合でも、使用後は必ず満充電にしてから保存していた。先輩に「過放電してしまうと充電できなくなってしまう恐れがあるので満充電しておく」と教わった。
また自分で調べた際にも「リチウムイオンバッテリーには保護回路が積んであり、保管中もその保護回路がバッテリーを消費するので、満充電にしておかないと過放電になる可能性がある」 というのをどこかで読んだ気がしていた。
改めてWebサイトを検索してみると、ノートパソコンのバッテリーについてだが、「バッテリー容量を50%前後にして保存する」や「20%~30%の状態で保存する」というのが通説のようだ。
さっそくHDR-HC1のバッテリーを少し放電しよう。
「先輩~、Li-ionバッテリーは満充電で保存しない方がいいみたいですよー」
デジタル時代のVEは音声のことも気にしなければならない。エンベデッドオーディオとして、音声信号が映像信号に重畳されているからだ。
機器単体のラインチェックの時、映像だけではなく音声も確認する。VE卓のマスターモニターには、エンベデッドオーディオをデコードしてアナログ音声を出力するボードが取り付けられている。 ここでエンベデッドオーディオがデコードできていればOKとする。幸いシステムが安定稼動しているので、日常のチェックはこれでOKとしている。
VE卓のマスターモニターでのデコードはOKなのに、本線系のデマルチプレクサではデコードできず、音声さんNGが出ることがある。 このような時には波形モニターを「AUDIO」モードにしてエンベデッドオーディオのStatusも確認する。
まだまだ手探り状態であるが、最良の監視方法を探している。
第三の薄型テレビ「SED」が注目を集めていた。液晶テレビよりも高輝度、高応答性能。プラズマテレビよりも低消費電力だという。もうパネルの生産も始まっているとのことだった。
実際にSEDの映像を見てみるとブラウン管テレビと遜色ない。薄型テレビであるということを忘れさせるほどだ。 電器店の展示のように<明るさ>や<色の濃さ>などの調整を細工し、明るく美しく見せているというような感じは無く、非常に素直な特性の映像だと思う。
今やハイビジョン時代。カメラの撮像素子もCCDが主流だと思っていたが、CCDもまだ撮像管にはかなわない分野がある。
NHK技研のブースで「ドラマ制作用ハイビジョンHARPカメラ」というカメラを見ることができた。 このカメラの特長は、月明かり(0.4lx)程度の明るさでも、肉眼で見ているような自然な映像が撮影可能という点だ。しかも暗部の特性が非常に優れているという。
元々は報道用で、立てこもり事件やハイジャック事件などの際に、暗やみでも照明をつけずに撮影できるようにと開発されたものだ。 状況が判れば良いという考えから感度を優先しているため映像はザラザラである。
これをドラマ制作用に改良したものがこのカメラである。ある程度の感度は犠牲にするものの、映像にシビアなドラマ制作にも対応する画質を備えている。
展示ではブースの一部が0.3lxにまで落とされていて、そこに人形が被写体として置かれている。わずか0.3lxという暗い状況でもしっかりと映像を捉え、しかも粒状感は無い。 暗部のコントラストがしっかりと出ている。まさに肉眼で見ているのと同じ状態がモニタにも映し出されている。
ここに懐中電灯で光を当てる。KNEEが効いているのか白飛びなどしない。しかもこの時にも暗部の表現は良好だ。すばらしい。
このカメラの隣には通常のハイビジョンカメラ(ゲインアップしていない状態)が並んでいたが、こちらはほぼ真っ暗。黒の部分などは表現できずに、つぶれてしまっている。
そういえば数年前、NHKで北極南極同時オーロラ中継をしていたが、この時に使用していたカメラも「ハイビジョンHARPカメラ」だったのではないかと思った。 粒状感もあり、スローシャッターが入っていたのか滑らかではなかつたが、非常に感動したのを覚えている。
夜間シーンがブルーのライトで表現されていないドラマを見たら、このカメラを思い出すだろう。
ワンセグメント放送(=ワンセグ)が2006年4月1日から始まるそうだ。 「ワンセグ」は地上デジタル放送の1チャンネル分(13セグメント)の帯域のうち、1セグメントを使って携帯・移動体向けに放送するサービスのこと。 放送の内容は地上波と同じで、すべて無料で見られるとのこと。
一部の携帯電話にテレビ視聴機能がついているが、これは従来のアナログテレビチューナーが内蔵されているもので、「ワンセグ」ではない。